リレーアタックとはどんなもの?その手口と対策を徹底的に解説します
“リレーアタック”という言葉を、聞いたことがあるでしょうか?リレーアタックとは、いわゆるスマートキーが搭載された車を盗難するための手口のひとつです。その手口はさながら電波のリレーのよう。気付いたら車を盗まれていたなんて事態は、絶対にご免でしょう。
そのためには、リレーアタックのなんたるかを、細かいところまで知っておく必要があります。そのための情報は、この記事でご紹介していきます。時間にして数十秒、スマートキー搭載の車を襲う、リレーアタックの対策法を、解説していきましょう。
目次
リレーアタックとは? たった ”10秒の油断” であう被害…
“スマートキー”といえば、メーカー各社で名前の違いこそあれ、基本的にはキーレスです。キーレスとはすなわち、鍵がなくても車を使用することができるもの。ポケットに入れたままでも車の扉の解錠や、エンジンの始動が可能な、近未来的な仕組みを指します。
その仕組みの根幹にあるのは“電波”です。スマートキーはリモコンから発信する電波を使用することで、車の使用を可能にしているのです。そして、この電波を悪用して車を盗難する手口のことを“リレーアタック”といいます。あまり、聞き馴染みのない言葉でしょう。
スマートキーは、絶えず微弱な電波を発信しています。その電波を特殊な機械を用いて受信し、別の機械に送信します。その電波のやり取りは、さながらリレーのよう。言葉の語源は、ここにあるのかもしれません。詳しい手口の方法は、下記のようなものです。
【リレーアタックの手口】
・特殊な機械を持った犯人が、スマートキーを持った運転手に近づく
・スマートキーが発信している電波を受信、増幅して仲間に送信する
・電波をリレーしながら、車に近づく
・車の鍵を解錠する、車に乗り込みエンジンを始動させる
・別の装置を使用して再度エンジンをかけられる状態にする
このように、スマートキーが常時発信している微弱な電波を、特殊な機械で受信、増幅し、車の鍵を解錠する手口が、リレーアタックです。解錠をしたあとはそのままエンジンを始動し、盗難します。車によっては、そのまま海外に輸出されてしまうこともあるようです。
リレーアタックは"キープログラマーを使用した盗難”とは違う
“キープログラマー”とは、元々スマートキーの鍵を追加で作成するときに用いられていた機器です。特殊な工具を使用し扉を解錠、キープログラマーを用いて新しい暗証番号(IDコード)を設定、エンジンをかけて車を使用します。盗難の手口としても納得でしょう。
その仕組みはリレーアタックと似てはいますが、実際は大きく異なります。リレーアタックは、スマートキーの電波を盗んで解錠をし、盗難をする方法です。一方でキープログラマーは、扉の解錠は自力でおこない、スマートキーの番号を書き換える犯行の手口です。
リレーアタック対策!簡単にできる5つの予防方法
リレーアタックは、コンビニやスーパーで買い物しているときや、外部の散策をしているときに頻繁に発生しているといいます。リレーアタックに適切に対処する方法はあるのでしょうか?ここでは、リレーアタックの対処方法を、5つ紹介していきます。
不審者がいないか注意を配る
リレーアタックは、電波を盗難することから始まります。そのためには、スマートキーを持っている運転手に近づくことが鉄則。定期的に背後を振り返ったり、同じ人物の気配を長く感じたりするようなことがあれば、注意を払ったほうがよいでしょう。
自宅にあるもので電波を遮断!
たとえばアルミホイルなど、自宅にあるものを使用して、手軽に対策をすることも可能です。スマートキーを内部に包むことで、被害の発生を回避することができるでしょう。
専用のポーチ・容器を用意する
リレーアタックの対策グッズとして、電波を遮断する専用のポーチなどが販売されています。値段にしておよそ数千円といったところでしょうか。被害の発生を効果的に防ぐことができる反面、出し入れに手間がかかることは、ネックといえるでしょう。
ディーラーにスマートキーを持ち込んで対策をする
スマートキーから発信される電波の強度は、実は調整することが可能です。ディーラーへ鍵を持ち込めば、簡単に設定を変更することができるでしょう。とはいえ、電波強度の変更をおこなうと、車のエンジンを始動する際に、鍵をボタンに近づける必要があります。
タイヤロック・ハンドルロックも併用して物理的に阻止
タイヤロックやハンドルロックなどは、物理的に車の盗難を防ぐ方法として、非常に高い効果を発揮します。見た目から防犯性をアピールすることができるため、盗難犯も容易に手を出してこないでしょう。長期間車を置くのであれば、検討してもよいかもしれません。
保険によっては車盗難被害時に補償がきく場合も…
リレーアタックの被害に遭ってしまった……。そんなもしもの事態に備えて、車両保険への加入をしておくのもよいでしょう。内容によっては、リレーアタックで発生した被害の補償を受けることも可能です。保険が使えるのであれば、心の痛みも減るでしょう。
リレーアタックは、突発的に発生しうる被害です。万が一にでも不安を感じるようであれば、車両保険への加入を強くオススメします。検討するときは、内容確認をお忘れなく。
まとめ
リレーアタックとは、なかなか聞き慣れない言葉ではありますが、スマートキーを搭載した先進車を盗難する、おそろしい手口のひとつです。その方法は、まさしく電波のリレーともいえるでしょう。このような犯罪の手口があると思うと、おそろしいですよね。
リレーアタックによる被害を防ぐには、さまざまな観点からの対策が必要です。たとえば不審者の存在に気を払ったり、専用の電波遮断ポーチなどの使用を検討したりすることです。いつのまにか発生することもあるリレーアタック、その存在は要注意でしょう。
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